リノベーションするときに気になるのが、物件の目利き。
建物の寿命や耐震性能など、購入する際の「賢い中古物件の選び方」をまとめてみました。
耐震性能においてマンションの方が高いと考えられがちですが、
きちんとした設計・構造であれば、一戸建でも問題はありません。
ただし、購入前にインスペクション(住宅調査)を行い、建物の劣化状況を把握することが必要です。
また、建物の寿命も耐震性能に深く関係しています。
一般的に、マンションで50年~70年、木造の一戸建てで35年くらいといわれ、一戸建ても、コンクリート住宅などは、マンションと同じくらいの寿命を持ちます。
木造一戸建ては、地震の際に起こる火災や、シロアリも考えて購入することが必要です。
新耐震基準で建てられた建物は無被害・軽微なものが多いけど、
日本の建築物の耐震基準は、大地震が発生するたびに、新基準の制定や改正が繰り返されてきました。特に大きな改正が行われたのは、1981年の建築基準法大改正です。
リノベ物件を購入する際、大きな目安になる基準が「新耐震基準」です。
新耐震基準は、住宅やマンション、ビルなどの建築物を「震度5強程度の中地震では軽微な損傷、震度6強から7程度の大地震でも倒壊は免れる」強さとすることを義務付けました。
阪神大震災において、新耐震基準以降に建てられた建物の80%が軽微な被害(もしくは被害なし)で、倒壊した建物はわずか3%程度であったため、新耐震基準の有効性が実証されました。
なお、旧耐震基準(1981年以前)の建物では、その倍の6%程度が倒壊したといわれています。
どちらが安全かというと、新耐震基準以降となりますが、価格にも大きく反映してきますので、どの時期の建物を購入するかは、購入者の考え方次第になります。
地震対策は大きく3つあります
現在の建築物の構造における地震対策は、おもに「耐震」、「免震」、「制振」があります。
3種の違いは、地震の震動エネルギーへの対応の違いです。
・耐震:建物を耐震壁や筋交いなどにより強くし、地震によって壊れないようにします。
・免震:建物と地盤の間にゴムなどの装置を設置し、地震の揺れを伝わりにくくします。
・制振:建物の要所要所に揺れを吸収する装置を設置し、地震時の揺れ・変形を小さくします。
コスト面で比べると
工事工程の多い「免震」や、高価なダンパーを利用する「制振」は、「耐震」に比べるとコストが高めです。コストの問題もあり、「免震」、「制振」よりも「耐震」がまだ一般的です。
住宅の場合、家具の固定など建物内部の地震対策をしておけば、新耐震基準で建てられた建物であれば、「耐震」でも充分だという専門家の意見もあります。
築年数は大切ですが、
建物の場合、築年数と同じくらい大切なのが、管理・劣化状態です。
建物も大切に使えば、丈夫な状態で長持ちしますが、そうでなければ、耐震性能にまで及ぶケースもあります。
きちんとメンテナンス・修繕している建物を選ぶことをお勧めします。
中古建物を購入する際は、目視でも、しっかり手入れや修繕を行っている建物かどうか、ある程度確認できますので、チェックしてみてください。